裁判員に選ばれました

皆さまお元気ですか。私です。

昨年突然裁判員として指名されたので、以下レポっす。
今回の記事にはフェイクが一部含まれます。

 

目次

裁判員選任まで

11月中旬、それは突然静かにやってきた。不在票だ。
ポストは勿論、宅配ボックスのある自室に不在票が入ることはあまりない。
仕送りがクール便で来たのかと思ったが、差出人欄を見て絶句した。
普段であれば「Amazon」と書かれてあるところに「裁判所」と書いてあったからだ。

これは、あれだ。Twitterか?

とくに心当たりはないものの、普段書いていた世間様への悪口罵詈雑言の中になにか特定の団体や個人に刺さってしまったツイートがあり、
内容証明が来たのではないかと仮説を立てた。勿論そうであれば最悪だった。
しかし事前の申し立てもなければ連絡もなかったため、いくらなんでも不躾ではないかと自室に戻って戸棚の上を見たところ、「名簿記載通知」が目に入った。
え?こっち?
そういえば届いてたし、一応調査票も返送したが当たるはずもないと思っていた。

その後郵便局へ行って封筒を受け取ると、「大阪地方裁判所刑事訴訟裁判員係」と大きく書かれている。
民事ではないらしいので、泥沼しょーもな少額訴訟は回避したということになる。
封筒を開けると「あなたはこの度具体的な事件の裁判員候補者に選ばれました」というガイダンス、詳細な冊子、調査票、等々。
「あ、これまだ『候補』なんだ」と思ったものの、この段階で裁判員を決める日程」と「裁判員になった場合に出席してもらう日程」が分かる。
選任日を含めて、出頭日は合計7日
「全部9時17時だとしたらキツイっすね」と思いつつ、決定日は月末になるので、上司にお伺いを立てて有給を多めに使うことにする。
調査票には「裁判員になれない理由はないか」というアンケートのようなものが用意してあるので、期日までに記入して返送が必要。
「障害がある」「介護をしている」のほかに「仕事柄忙しい時期」などの理由も記入可能なのはイメージと違う。
この段階では「事件番号(わ)XXX号」みたいな番号だけが書いてあり、何の事件だかわからない。
とくに根拠もなく「万引きとかかな~」と思っていたが、裁判員制度について調べなおし、重い裁判にしか適用されないことを知る。
え?それってめっちゃ怖いよね?

選任日までに一応「12人の優しい日本人三谷幸喜脚本)」を見る。
大学の授業で観た「12人の怒れる男」とほぼほぼ筋書きが一緒。
どちらも陪審員裁判員制度は当時ない)の意見が、一人の言葉や状況に流されて丸ごと変わってしまうという話。
けっきょく不安が募る。

選任日当日

大阪地方裁判所は北浜と梅田新道交差点の間ぐらいで、電車を降りて徒歩10分ほどかかる。
難波橋のライオンに挨拶して先を急ぐ。
ガイダンスに「初日は金属探知機を通るから早めに来てね」と書いてあったので少し早めに着いた。
本館の入口は空港のようなセキュリティで、ここで今年行った旅行に飛行機を使っていなかったことに気付く。
北浜に近い南側の入口から入ると本館を通って、新館という別の建物で選任手続きをする。
当日は迷わないように係員が複数人おり、「いや漢字検定当日か」と思う。
裁判所がバイトを雇うとは思えないので、まあまあの人件費がかかっているイメージ。
部屋に入り、受付を済ますと机と一体化した椅子がズラリと並んでおり、すでに25人ほど座っている。
個人情報保護の観点から当日は番号で呼ばれる。机の上にはまたアンケートがペラ紙一枚で置いてある。
「裏面に事件詳細が記載されていますので、関係者である可能性がある場合は書いてください。
 また、この事件について知っていることがあれば書いてください」という旨の内容。

裏面には、
「〇〇市内のマンション△△にて、被告□□が〇〇・〇〇・〇〇・〇〇らと共謀し
被害者を暴行の上、現金XXX万円を強奪した件。また、△△を□□にて××した件
みたいなことが書いてあり、「ウワッ」となる。
ここに来てやっと「マジじゃん」という実感が湧いてきて、「うーわ最悪、あーあ」という感覚になる。
個人的には裁判というと「大岡裁き」とか、尊属殺人違憲判決みたいな「一杯のかけそば」みたいなものをイメージしていた。
法律ってもっとギリギリにならなきゃ犯さないもんじゃないのかよ。登場人物が多いよ。
文面をもう一度反芻し、どうやら人が死んでいないこと・性が関係していないこと・医療に関係していないこと、を確認すると、
「うーんマシかもしれない」と思い始めるが、「いやマシって何?」と堂々巡りになる。
司会に促されてきょうの説明を聞きつつアンケートを記入し回収する。
暫くすると裁判長・裁判官2名・弁護人2名・検事2名が出てきてご挨拶。
裁判長より再度「今回の件について事件をご存じだと言う方はいらっしゃいませんか」と全体で確認があり、
「アンケートを確認しました。別室で確認をするので、4番さんと15番さんは順番に別室に来てください」とのこと。
「えっそんなに関係者が近くにいることある?」と思ったが、どうやらこのタイミングで辞退をする人がいるらしい。

当選直後

裁判長より、「別室にて既にコンピューターで抽選を行いました。裁判員の方6名と補充裁判員の方3名を番号で表示しますので、表示された方は別室に来てください。
その他の方は本日終了です」というアナウンスがある。
「まあ30人いたら外すでしょ」と思っていたら見事BINGO
FREE折ってないのに。この会場に来た時点でリーチは掛かっていた、そういうことなんですか?
別室に移動し、書類記入し、実印を押して、裁判員の宣誓。
用紙を渡され「我々はスポーツマンシップもっこり」みたいなやつを、初対面6人ぐらいで言う。合うわけねえって。
その日は裁判が行われる法廷の見学と、評議室という裁判員・裁判官控室みたいなところを見せてもらった。
法廷は気持ち小さめ、評議室はおそらく公平性の観点からか円卓なので、無駄に机がデカい。
ロッカー使い放題、お水とお茶飲み放題。まあこれは裁判所によって違うと思う。
法廷は思ったより小さいところで、裁判長・裁判官と同じ並びに6人並んで座る。
裁判員用バッグがあり、バインダーが入っていて事件に関する内容と関係法令の写し、スケジュールが挟んである。
諸々改めてスケジュールのお知らせや、連絡先等を教えてもらう。
まあ「梅田近いから遊んで帰るか~」ということで遊んで帰った。

裁判までSteamでDLした逆転裁判を遊ぶ。なんの参考にもならないことを確認する

裁判初日

すこし間が空いたので場所の確認の上、評議室へ集まる。
裁判長が「今日から裁判ですね。皆さんもどうでしょう」みたいなことを言う。
が、「どうでしょうと言われても……」状態で誰も喋らず。
この状態のこの人数で裁判3日間・評議3日間。
自己紹介は一切なし。打ち解ける要素なし。
誰も身分を明かさない特殊な状態でのファシリテーション裁判員裁判での課題かもしれない*1
裁判はともかく3日間の話し合いで全員黙ってしまうのがちょっと苦しすぎるので、この時点で「なるべく喋る」ことを決意する。
裁判員は番号で呼び合うので、法廷にも番号順に座る。
裁判所のセキュリティの関係で裁判官が前になるので、サザエさんのエンディングのようになる。

そして法廷。
「それでは、被告人は証言台の前へ立ってください」
「はい」
「検察の読み上げた起訴状の内容に対して間違っていることはありますか」
ああ、こういうの見たことある。
もしかして認めていないのか?ここから暴れるのか?そんなの見たくないな~と思っていると、
「概ね合っています。しかし、今回の事件では共犯ではなく手助けをしただけで、『幇助』であると主張します
は?
その後、冒頭陳述に入り、検事さんより事件の内容をザーッと聞きメモするも、頭に入ってこない。
どうやら、今回の裁判は有罪・無罪ではなく、量刑および「共犯か幇助か」を判定する裁判とのこと。
後になって知ったが、日本の裁判は被疑者が容疑を認めている事件が殆どなので案外多いのかもしれない。「自首か否か」を判定するパターンもあるらしい。
でも、そんなパターンあるの聞いてねぇんだけど。で、複数事件一緒にやることあんのかよ。
法令上、共犯は法律用語で「共同正犯」というものを指し、本来の最高懲役と同じ年数が課される可能性があるが、幇助は年数が半分になる。
さらに複数の罪を重ねた場合は、一番重い罪の1.5倍となる*2
さらにさらに、罪状や情状等で実際の懲役年数が考慮される。
突然謎の懲役パズルが発生し、無事理解が追い付かず死亡

評議室に戻り、裁判長も「よく分かりませんでしたね」とか言ってくれたのでだいぶ緊張がほぐれる。
裁判は1時間に1回ほどで休廷が入り、その間で裁判員のちょっとした話し合い&休憩を挟む。
お昼に裁判長・裁判官の方から自己紹介してもらい、そこからは比較的和やかな雰囲気に。

裁判員評議なるほどQ&A

で、裁判についてはプライバシー上、評議については守秘義務上書けないのでここからやったことをQ&A形式で書いていく。

Q.結局裁判員・裁判官の仕事って何なの?

裁判を聞き、その内容だけを材料に、裁判の争点に関する是非、量刑を裁判員・裁判官・裁判長の全員で判断する仕事。ということになる。

Q.それって結局どういう行為になるの?

刑事裁判であれば検察側から状況証拠を提示されるが、これは単なる「証拠」であり、検察側の主張とは切り分けて考える必要がある。
弁護側はその証拠に対する主張のみを行う。ので、こちらも事実そのものではない。
結果的に、検察側・弁護側が集めた証人の「証言」で、
「〇〇さんはああ言った」「しかし××さんはこう言った」「△△のこの発言はこういうことを指すのでは?」という材料を整理しながら
どちらの主張が正しいのか話し合ったり考える作業ということになる。

Q.収拾付くの?

付かないこともある。
最終的に評決という時間があり、有罪か無罪か、懲役何年かなどの争点について投票で決める。
基本的に多数決で実施されるが、被告にとって不利な内容*3に多く票が入った場合、裁判員だけでは決定されず、裁判官の意見が入っていることが要件とされる。

Q.なんで辞退しなかったの?

単純な話、有給取って日当ももらえるからダブルインカムになる。
あと、テレオペってオペだろうが管理者だろうが別にいつ休んでも代わりがいるので、行くつもりしかなかった。面白いし。
ここ数年間マジでテレオペ以外の仕事をやっておらず、タイミーをインストールしてそのまま自然に忘れるとかしかしてなかったのでいい契機だとも思った。

Q.法職の人って怖くない?

裁判官は20代っぽい女性・30代っぽい男性のペアだった。裁判長もロマンスグレーのにこやかな男性。
そもそも裁判員側におじさんが多めだったのでとくに威圧感はない*4
ともかく字が上手い。さすが司法試験受かるほど勉強してるだけある。

Q.裁判長って偉いんでしょ?

裁判長が一番仕事してた。
話を回すのは裁判長、みんなの発言ホワイトボードに書くのも裁判長、
最後に判決をまとめるのももちろん全部裁判長。
年長者ではあるが「偉い人感」が無かった。

Q.裁判についてどう思った?

この後の評議で何がポイントになるのか分からず、結局出廷した証人全員の発言を全てメモする時間になったのがしんどかった。
全く勘どころが分からない大学の知らない科目の授業を聞いている感じ。
ただ、検察側も弁護側も資料は用意していた*5ので、「今言ってる話が全然分からない」みたいな状態にならずに済んだ。

Q.裁判でなんか面白いことあった?

裁判員裁判だと初日に傍聴席が全部埋まる。で、その後はスッカスカだった
事件の内容にもよるのかもしれないが、最初だけ見てどうするんだろうか。
なんか発動するタイミングが違ったらしいが「異議あり!それは誘導尋問です!」を生で見れて嬉しかった。
あと、尋問のときに被告と検察が同時に喋ってしまってフフッてなってるのが面白かった。なにわろとんねん。

Q.評議についてどう思った?

感覚的にはオタ語り・カプ談義に近い。 「〇〇って言ってるってことは××みたいな意志を感じるな~」「でも△△だしな~」みたいなやり取りが多かった。
これと同じペースで話し合うなら「劇場版まどか☆マギカ 叛逆の物語」とかについて話し合いたかった。

Q.評決についてどう思った?

複数回評決があった*6が、一回目は緊張で気持ち悪くなった。
文化祭の出し物を決めるノリで「他人の人生を左右している」という感覚が重い。

Q.お金は貰った?

貰った。交通費別。多くはなかった。
なんだかんだで「普段と違うことをする」負担は大きかったので、もう少し貰いたかったなという気持ちがなきにしもあらず。

Q.今回の事件について思ったことは?

前述の通り、争点が2つもあったので「3日間も話し合い出来るかな」ではなく、全然時間が足らないと思った。
ついでに証拠も全然足らない状態で、話し合いの突破口も見つからないという場面が続いてしんどかった。
闇バイト系の事件だったので、テレグラムなどの通信アプリに関する話が出てきたが、
もちろん裁判員で誰も使っている人がおらず、なぜか裁判では分かっている前提で進んでいたのでモヤモヤした。
全員が「LINEみたいなもんだろうな~」とフワッとした理解だったので、こんなことになるのなら勉強しておけばよかったと少し思った。
あとは、なんか話の中で遠~いところに「」の人が出てきたので、「こういう案件裁判官だけでやるんじゃないのかよ」と思った。

Q.複数事件の裁判ってどうやるの?

Aの件についての証拠調べ*7・尋問が1日目・2日目、Bの件についての証拠調べ・尋問が3日目から、という感じ。
評議も同じような進み方だった。

Q.一緒に裁判をした裁判員について思ったことは?

一言で言うと「真面目やん」という感想。
「一応お金もらえるから来たけどモチベが全然ない人」みたいなのが一人ぐらい混じるんじゃないかと思っていた。
上に書いた通りちょくちょくお通夜ムードが出つつも、いざ話を振られると全員「うーん、私は〇〇さんの発言で~」と意見を言える人だった。
だいたい私が通っていた中学校とかではよく学級が崩壊していたタイプだったので、世の中がこんなに真面目な人ばかりとは思わなかった。
まあ「辞退できるけど来た人」と「辞退できることを知らなかった人」しか来ないので、必然的にそういう人が集まるのかもしれない。

Q.裏目標「なるべく喋る」は達成できた?

微妙~
元々思ったことをすぐ言葉に出すのが苦手なのと、「ずっと喋っててもなんか怪しいよね!?」という思考が脳裏を掠めてしまい、
ちょこちょこ誰も喋ってない時間が発生して良くなかったと思う。今度当たったらまた頑張る。

最終日

いつも通り評議を行った後、判決が決定。
裁判長から法廷にて判決言い渡し。
我々なりにいろいろ考えて、言い合いながら出した結論を、被疑者は不服そうな顔で聞いていた。
評議室に戻り、裁判官の方に「あんまり刺さりませんでしたねえ」と言うと、「この先の人生でいつ分かるかは、人によって違いますからね」と言われる。
こんなに大きなことでなくても、他人に言われたことの積み重ねで人生が出来ているのだと思う。
その後事務官の方から請求書に名前を書くよう言われ、振り込み金額をここで確認し、ウフフとなる。
再度アンケートを書いて、裁判長より「お疲れさまでした」と労っていただく。
みんなで感想を言い合い、記念のお手紙等をいただき解散。
中之島のビル群に見送られながら帰路に着いた。

やってみて感想

細かい感想は上のQ&A部分に書いたが、大きい感想として抱いたのは「日本人」の層の広さについて。
我々は2か月前に言われて、朝9時から夕方5時まで数日間西天満に集まることが出来る人たちでしかなかったのだが、
その上で1時間静かに裁判の傍聴をすることが出来て、真面目に考えたり話し合うことが出来る。
他方、裁判の中に現れるのは「仕事と言ったら法律を犯すことで、少年院にも入ったし、1年ぐらいなら決意キメれば平気」というのが
当然の了解の人たちだったので、同じ世界に生きていることが不思議だった。
起訴状に書かれた被告の本籍が東名阪とかではなかったので、例えば高等教育の割合が低かったり、一度道を踏み外してしまうとやり直すのが難しい状況なのかもしれない。
仮にそうだったとしても、裁判員席に座っている我々と証言台にいる彼らの違いは大きくないはずなのに、この見えない壁は何なんだろうと思った。

その反面、裁判員制度というのは有権者から無作為に選ばれる*8ということになっているので、なんとなく真面目な人たちが集まったのは何故だろうと思った。
裁判員制度は「国民の感覚を司法に反映する」のが目的ではあるが、「ほなその国民って誰よ?」という気持ちにもなる。裁判の中に現れる人たちは国民ではないのだろうか。

上記のように「朝9時から夕方5時まで数日間西天満に集まることが出来る人たち」は決して一般人の代表ではなく、かなり暇人寄りの代表だと思う。
各裁判所のホームページを見ると、裁判員裁判事件の予定表がある。
今回は一週間程度だったものの、一か月以上出頭させる事件もある。
会社や仕事を一か月以上休めるような環境*9は、俗にいう一般人ではないと思う。
事務職の私でさえそう思うのだが、これが法職と一般人の感覚の乖離なんだろうか。

昨年末にいわゆる「紀州ドンファン事件」の判決が出たが、これも相当裁判が長かったのではと思っている(調べてない)。
記者会見に出席した裁判員の画像がTwitterに張られていて、「こいつのせいで無罪になった」みたいなことを書いている人がたくさんいる。
こういった意見に関しては、一度裁判員をやった人間から言わせてもらえれば、「お前裁判も評議も見てないのに何が分かるの?」と。
裁判員にとっては、一日中やってる裁判全部見て、「マジで意味わからん」と思いながら一日中話し合って出した結論が判決なので、報道だけで判断してしまうのは早計すぎる。
上記に書いた通り、もしかしたら一般人ではないのかもしれないと思う一方、何を聞いて何を言って、何を考えたのかわからない人を叩いて溜飲を下げるのは明らかに間違っている
これもTwitterで見かけた意見だが、被疑者に甘い判決になるのは、単純に検察側の証拠が足らなかっただけだと思う。*10
この辺に何か言われたら「えっじゃあお前裁判員やったの?私やったし。当ててから言ってくれんか?」で全部返す予定。

他の事件は知らないが、私が参加した事件は特段弁護側が優秀だったというわけでもなかった。
裁判中は「国選ってやっぱこんな感じか……」と思いながら見てた。裁判長から怒られていた。
捕まったときに現金を50万円持っていなかったら国選になるらしいので、私選にしたい人は常に51万円以上を預金に入れておこう。明日使える刑事事件トリビア

最後に

一応最終日まで勤め上げたけど、結局、陪審員の映画のように、何か見ては流されて、何か聞いては流されて、というのを繰り返していたような気がする。
いい大人の裁判員全員で価値判断を持ち寄って話すという行為は、今までの人生で何をしてきたかを振り返る契機になるかもしれない。
あとは、裁判官の人たちが普段どんな仕事をしているのか勉強になった。キッザニアに来た子供?
まあ、この国で一定以上の重罪を犯したら、私たちみたいな暇人に面白半分で裁かれることがあるということだけは覚えて帰ってほしい。制度として面白すぎる。
なんだったら最後の判決言い渡し後の説諭も我々が考えているかもしれないよ。

*1:もしかしたらめちゃくちゃ陽気な裁判長が一日中バリバリに裁判員トーク回してるみたいな現場もどこかにあるのかもしれないが、あまり想像は付かない。

*2:いくつか罪を重ねても年数を足し算するわけではない。

*3:今回であれば共犯の判決、一般的には無罪と対比しての有罪判決、量刑判断ではより長い懲役年数など。

*4:裁判員の中には女性もいた。

*5:検察側の方が作るのがうまかった。

*6:今回複数事件を扱っているが、他の事件でも有罪・無罪と量刑は別々に評決されると思われる。

*7:検察官や弁護人の証拠を確認すること。物証や防犯カメラ映像などを示す。

*8:ただし選任時に裁判長がこっそり除外することも出来るらしい。今回発動したかどうかは不明。

*9:または休んでも平気だと思う人。

*10:もちろん私も裁判は見ていないので、確実にどうだったかは知らないし、責任を持つつもりもない。